教員のおススメ本コーナーを設置しました

6月22日(木)より、みちのきち内に「教員のおススメ本コーナー」を設置しました。
このコーナーでは、國學院大學の教員が交替で学生に読んでほしい本を紹介します。
およそ2週間をめどに入れ替えを行いますので、気になる本があればお早目にチェックしてみてください。

 

「 退屈極まりない日常を撃て!! 」

初回のおススメ本紹介者は文学部長の石川則夫教授(専門:日本近代文学)です。
『退屈極まりない日常を撃て!!』という熱いメッセージの通り、皆さんの日常生活に一石を投じる6冊をおススメしてくださいました。

タイトル 著者 出版社
聴く鏡 一九九四-二〇〇六 菅原 正二 ステレオサウンド
戦艦大和ノ最期 吉田 満 講談社文芸文庫
眼の引越 青山 二郎 中公文庫
山の仕事、山の暮らし 高桑 信一 ヤマケイ文庫
山怪 山人が語る不思議な話 田中 康弘 山と渓谷社
新版 クラシックCDの名盤 宇野 功芳 文春新書

聴く鏡 一九九四-二〇〇六


石川先生の一言
伝説のジャズ喫茶、岩手県一関市にある「BASIE」(ベイシー)店主、菅原正二のオーディオとジャズにまつわるエピソード満載の随筆集。収集した総量十数トンにもなろうかというLPレコードを掛けることに命をかけるステレオマニアの「終わったものにしか興味がない」という哲学が語られる。

 

戦艦大和ノ最期


石川先生の一言
「昭和十九年末ヨリワレ少尉、副電測士トシテ「大和」ニ勤務ス」からはじまり徳之島沖にて撃沈されるまでの戦記である。あまりにも有名な作品だが、その初出形に近いカタカナ書きの本書でこそ読むべきだろう。文学的な感想の言葉も散見するが、戦争体験の切実さがひしひしと迫ってくる名著である。

 

眼の引越


石川先生の一言
昭和期に活躍した稀代の目利き青山二郎の代表的な文章を集めた1冊。小林秀雄をはじめ、戦前、戦後の文学界の側面が描かれる。焼き物に凝ったために中学も卒業できなかったが、「日本文化を生きた」青山二郎の美の哲学とはなにかが示される。

 

山の仕事、山の暮らし


石川先生の一言
日本の山々の麓で生きる人々のルポルタージュ。マタギ、ワラビ採り、山菜採り、鹿撃ち、遭難救助、山案内など昔ながらの山暮らしの生活とその知恵、また現代生活における山との関わりなどを広く伝える。

 

山怪 山人が語る不思議な話


石川先生の一言
山の仕事、山の暮らしのなかで、人々が遭遇する不思議な経験とその話を集めたもの。かつて柳田國男が『遠野物語』序文に「平地人を戦慄せしめよ」と述べたように、現代の都会生活者の常識や通年に揺さぶりをかける話の報告。既に続編も刊行された。

 

新版 クラシックCDの名盤


石川先生の一言
昨年逝去したクラシック音楽評論家宇野功芳による名盤CDの批評集。音楽評論の分野で毀誉褒貶半ばする筆者の文章は、文字通り独断的な口調に溢れているが、そのぶん正直な個性が真っ正直にクラシック音楽に向き合う姿は力に満ちている。